my best figure skating

独断と偏見に基づく

My best free program of Jeremmy Abott

 


J. ABBOTT - 2010 US NATIONALS - FS

ショートプログラムに引き続き、(シーズンは違いますが)

こちらも疾走感に溢れるプログラム。

叙情的でもあり、ドラマチックでもあり、疾走感もありで

アボットの長所が全て味わい尽くせるような素晴らしいプログラムです。

アボットの神演技は全米で生まれると言ってもいいほど、

全米でよい演技をするのですよね。

このあたりの時期は、ワールドでメダルを取ってもおかしくないくらいの

全盛期だったのにワールドになると…という感じで、織田くんと並び

メダルを取ってもおかしくなかったし、取るべき人だったし、取らせて

あげたかったな〜と思う選手でした。

しかもこのシーズンは翌年の2月にバンクーバー五輪を控えた

オリンピック選考会でもあったのですよね。

そこで、バンクーバーで金メダルを取ることになるライサチェック

(端々に映ります)を抑え、優勝しているわけです。

私は、これがオリンピックでできたらアボットが金でもおかしくないと

思いましたもん。

叩きだしたスコアは、当時としては破格の得点だったと思うのですが、

ナショナルということを差し引いても、この演技に関しては

妥当な点数だったと思いますし、全米できちんと評価してもらえて

よかったなと思っています。

技術と芸術性の両方ともを文句なしに兼ね備えていたのですから。

でも、こういう演技をしてくれたことが、

私にとってはどんなに色のいいメダルよりも最高のものですし、

記憶に残り続ける宝石のような宝物です。

このオルガン付きも大好きで、衣装はマイナーチェンジされてきての青。

芸術性の溢れる素晴らしいプログラムで、省エネではない、

密度の濃いプログラム。 

常に音となり、音楽を体現するような、ジャンプさえも表現に昇華されている

フィギュアスケートの素晴らしさが詰まったスケートでした。

これが出来る人は、本当に数えるほどしかいないでしょう。

この演技をさらにエキサイティングなものにする解説も素晴らしく

演技に華を添えています。

本当にこの演技を生で見られたアメリカのスケートファンを羨ましく思います!

My best short program of Jeremmy Abott


2011 U.S. Nationals Jeremy Abbott SP

アボットといえば、エクソジェネシスやライフイズビューティフルなど

叙情的なプログラムをイメージする方も多いと思いますし、

本人としてもそのように思っている気がするのですが

一方でこのショートプログラムのようなモダンでアーティスティックで

ダンサブルな疾走感のある滑りは、素晴らしく唯一無二だと感じています。

もうグランプリシリーズ初戦のNHK杯から釘付けでした。

系統としては、ランビエールの系統だと思うのです。

振付けも同じナハロさんですし。

ランビエールの場合は、情感溢れる正統派タンゴ、

アボットの場合は、北米の硬質なモダンコンテンポラリーな要素が加わった

洗練されたタンゴだと思います。

このプログラムは、最初から最後まで魅入ってしまうほど素晴らしく

もうジャンプを降りたときやスピンさえ芸術的で本当に素晴らしい

と素晴らしいという言葉ばかり使ってしまうようなプログラム。

現役のシーズン後半は、叙情的なプログラムが主で現在も

そうかなと思うのですが、こういう疾走感に溢れるアーティスティックで

ダンサブルなプログラムもまたぜひみたいと思っています。

そして、急激に艶っぽく美しくなったと当時周りのスケートファンの間で

話題になったコーチ業が脂に乗った佐藤由香さんを見ることもできます。

My best free program of Miki Ando


Miki Ando japan nationals 2007/2008 FS Carmen

世界選手権で華麗な復活を遂げて、ワールドチャンピオンとして

迎えた2007-2008シーズン。

いち早くエッジ矯正に取り組んだ影響やワールドチャンピオンと

して臨むシーズンとなり、波乱のシーズンとなります。

そのような中迎えた全日本のフリーのカルメン

ここで決めなければという焦燥感や切迫感と集中力が

鬼気迫る演技と相まって、カルメンそのものが乗り移ったかのような

表現になって、すごい化学反応が起こったという感じでした。

この全日本のカルメンは忘れられません。

安藤さんがワールドチャンピョンになったときのフリーは

いずれもクラシック音楽で、ジャンプが素晴らしい質で決まり

畳みかけるようで、こういうときの安藤さんには

ちょっと誰も叶わないなという感じでした。

そういう感じがあり、そこに演劇性が加わった感じでした。

こうやって書いていても、安藤さんの演技を語るには、

彼女のスケート人生が欠かせず、切り離せないものなんですよね。

本人は意図していなくても、人生そのものがドラマチックで

それが演技にも反映されているのだな〜と思います。

願わくば、真央ヨナ時代に待ったをかけて

頭一歩抜け出すくらいの強さを見たかったなと思いますが、

(充分なポテンシャルがありましたので)

充分天才で魅力的でしたから、型にはめられず、色々なものに

まみれずにそれはそれで良かったのかもしれません。

 

 

 

My best short program of Miki Ando


Worlds 2007 Short Program 41 Miki Ando Japan

シェヘラザード。

数々の選手が使う名プログラムだが、近年のシェヘラザードでは

安藤美姫のそれに勝るものはあるまい。

強さと美しさと躍動感と。

07シーズンから、コーチ兼振り付けを担当した

荒川静香をゴールドメダリストに導き、

野心とエネルギーにあふれ脂の乗った

ニコライモロゾフのキレのある美しい振り付け。

トリノオリンピックの惨敗から1年。

同一人物なのが信じられないくらいの

強さと美しさを持った復活だった。

それは、スケートアメリカにはじまり、東京ワールドで最高潮に達する。

安藤美姫

彼女にはたぶん、独自のスイッチがあって

それが発動されると、無敵の強さを発揮する。

でもそれは、彼女自身にもコントロールできなくて

自身も翻弄されるほどのヤイバのつるぎのようなもので。

だから、安藤美姫は一般の尺度では測れない。

脆さや弱さと強さは表裏一体。

スケートファンは、彼女のそんなすべてを愛した。

スキャンダルがあってもそれは一ミリも変わらなかった。

彼女のスケートを信頼しているから。

私はその絆を見られて、とても嬉しかったし

スケートファンを誇りに思いました。

私はこれからもずっとこのシェヘラザードが好き。

フィギュアスケートの素晴らしさが詰まっている演技

ご覧ください。